アイリッシュのえらいひと
Artist/Irish

アイルランドにははとにかく、凄腕の蛇腹奏者がたくさんいます。蛇腹リスナーにとってはまさに宝の山。いいサイトもたくさんあるので、是非そちらもみてみてください。

●アイリッシュの蛇腹を聴くにはGreen Linnetレーベルが便利。
THE ERIN BREEZE
Irish Button Accordion Discography Top 下北沢ビレッジグリーンで月1で「ボタンアコミーティング」を開いている家主さんのぺーじです。

私が「アイリッシュ・ミュージック・ディスク・ガイド」本でおすすめしたアーティストです。ほかにもマーティン・オコーナー書かなきゃ嘘でしょ、とかいわれちゃいそうだけど。。まあ、おいおいということで。

Jackie Daly ジャッキー・デイリー

ジャッキー・デイリーは現在のアイリッシュ・アコーディオン奏者の中で間違いなくトップに入る一人。いくつものトップバンドに在籍したキャリアもその証だろう。1945年北コーク州カンタークの生まれ。父親に影響されて10歳ごろからアコーディオンを弾き始め、地元のダンスの伴奏などをしながら、ケリー州周辺のミュージシャンの影響を受けたという。仕事などで5年ほど音楽的なブランクもあったが、73年に再びメロディオンを弾きはじめ、74年のオール・アイルランド・チャンピオンを獲得する。ジャッキーの初めてのソロアルバムは1977年の「MUSIC FROM SLIABH LUACHRA」。タイトルどおり、シュリアブルークラ地方のポルカやスライドが多く演奏されている。典型的なリズミックスタイルでC#/Dのアコーディオンとコンサティーナを演奏しているが、彼のテクニックがこの頃から非常に確かなものであったことが伺える。同年にはシェイマス・クレイと、また79年には後にパトリック・ストリートで組むことになるケヴィン・バークとのデュオ・アルバムを発表している。この2枚はタイプの違ったフィドルプレイヤーとの共演ということで聴き比べてみると面白いかもしれない。その後ジャッキーは70年代の終わりごろから80年代にかけてデ・ダナンやアーカディに参加、80年代後半にはアコーディオンのボタンとフィドルの弓(ボウ)に洋服のボタンとボウタイを洒落た(盛装?)ユニット、ボタン・アンド・ボウズを結成し、そして87年からはパトリック・ストリートに参加、現在も輝かしい活動を展開している。1995年に発表された「Many's a Wild Night」はそんなバンドの活動を挟むようにして届けられた、なんと18年ぶりのソロ。ユニークなのはジャッキーがC#/Dよりも5度低くチューニングしたアコードラ(バイオリンに対してビオラと同じ)と呼ばれる楽器をいくつかの曲で演奏している事だ。アルバム全体では全作よりも円熟味が増して優雅な印象がある。 ● Jackie Daly JACKIE DALY AGUS SEAMUS CREAGH(RG)1977
● Jackie Daly with Kevin Burke EAVESDROPPER(RG)1979
● Jackie Daly Many's a Wild Night(DOMHNACH IS D蹲ACH)Gael-Linn1995
● Jackie Daly MUSIC FROM SLIABH LUACHRA(RG)

Joe Burke ジョー・バーク

PAOLO SOPRANI B/C

アイリッシュ・アコーディオンにはB/CスタイルとC#/Dのスタイルがあるが、ジョー・バークはB/Cプレイヤーの大御所で最重要人物である。そのプレイはケイリー・バンドなどでならした、踊るためのタイトな演奏だが、テクニックは半端ではなく、それでいて、暖かみも風格も合わせ持っている。1939年ゴールウェイのKilnadeema生まれ。家にはつねに音楽とダンスがあったという環境で幼い頃からアコーディオンを弾き始め、1959年と1960年にオール・アイルランド・シニア・チャンピオンを取っている。アメリカにも何度か移住、レコーディングも行っている。1990年にはオシーンのアコーディオン・プレイヤー、アン・コンロイと結婚。「Traditional Music of Ireland, with Charlie Lennon」は1973年のソロアルバム。チャーリー・レノンのピアノのバッキングでバークの素晴らしいプレイが思う存分聞ける。「Happy to Meet & Sorry to Part」はマイケル・クーニーのパイプとテリー・コーコランのギターと歌によるトリオ作。パイプとアコーディオンのユニゾンはアイリッシュ・ミュージックの中でもありそうであまりないが、パワフルで独特のサウンドだ。ギターのバッキングのためか非常に聴きやすい。 ●Traditional Music of Ireland, with Charlie Lennon, 1973
●Happy to Meet & Sorry to Part, with Michael Cooney and Terry Corcoran, 1986

Coner Keane コーナー・キーン

Coner Keane/COOLEY'S HOUSE(CKCD01)
Conor Keane/OIDHREACH
*SALTARELLE C#/D

Four Men and a DogやARCADYに在籍していたコナー・キーンは68年生まれ。元々B/Cプレイヤーだったが、ジャッキー・デイリーに触発されてC#/D弾きになったという。そういった経緯があるためか、彼のプレイはとりわけ切れ味鋭いリズミック・スタイル。1枚めは疾走感のある演奏が爽快で私個人は愛聴盤。2枚のアルバムは、完全ソロでファーストアルバムに比べやや聞き難い感じもあるが、彼なりの曲に対する解釈が伺えて作品性が高く、かなり面白く聴ける。

Begley シェイマス・ベグリー

彼に関しては、97年の来日ライブレポートがこのサイトにあります。くりっく

Brendan Begley シェイマス・ベグリー

ブレンダン・ベグリーは97年に来日したシェイマス・ベグリーの弟で、やはりアコーディオン&メロディオン弾きだ。メロディオン(1列のアコーディオン)は日本では何故かアイリッシュ・ミュージックの文脈では注目されることが少ないようだが、シンプルなだけに実は蛇腹のダイナミズムがより表現できる楽器でもある。このアルバムではブレンダンの4枚リードのメロディオンの演奏で始まるが、これが素晴らしいの一言に尽きる。
Brendan Begley WE WON'T GO HOME 'TIL MORNING1997

Sharon Shannon  シャロン・シャノン

""Sharon Shannon & Friends THE DIAMOND MOUNTAIN SESSIONS""
CASTAGNARI TOMMY B/C

自然体で歌うように演奏する、まさに新しいタイプのアーティスト。彼女のアルバムはすべて「最高に楽しめるようにプロデュースされた」数少ない蛇腹アルバムだ。どれもハズレなし。このページのシャロンのインタビューを御覧下さい。

Noel Hill Tony MacMahon ノエル・ヒル  トニー・マクマホン

トニー・マクマホンとノエル・ヒルは真摯にアイルランド音楽の伝統を追求し続ける蛇腹プレイヤーだ。トニー・マクマホンは1939年クレア州エニス生まれ。ミュージシャンであると同時に放送人としてもアイリッシュ・トラッドに貢献してきた。伝説のアコーディオン・プレイヤー、ジョー・クーリーに幼少の頃から交流があり、彼から多大なる音楽的影響を受けた。ノエル・ヒルは1958年やはりクレア州エニス生まれ。10代からすでにレコーディングに参加している。卓越したコンサティーナのテクニックは無二のものだ。トラッドの演奏でとりわけスリリングなのは2人組ではないかと思っているのだが、この2人組も例にもれない。1985年の「I gCnoc na Grai」と1993年の「AISLINGI CEOIL/Music of Dreams」はダンサーの足音が臨場感をもり立てるエキサイティングなアルバム。彼らの音楽のあるべき場所を強く意識させられる。2人がアイルランド音楽の伝統というものを近代楽器ともいえる蛇腹でどのように表現しているか、そのキーワードは「パイプ」の音ではないかと思われる。あたかも万華鏡のように音色が変化しながら、ときどき花火のように打ち上げられる華やかな和音の裏打ち。彼らの演奏を聴いていたらイーリアン・パイプを初めて聴いた時の驚きを思い出した。

Noel Hill with Tony MacMahon AISLINGI CEOIL/Music of Dreams1993(RG)
Noel Hill with Tony MacMahon I gCnoc na Grai(with Tony MacMahon)(RG)
""Noel Hill AGUS Tony McMahon /I Gcnoc na Grai"(CEF CD 114)GAEL-LINN
""Tony MacMahon /TRADITIONAL IRICH ACCORDION"" (SHANACHIE 34006)

Billy McComisky  ビリー・マコミスキー

" Billy McComisky/MARKIN' THE ROUNDS "" (GLCD 1024)
*Hohner Double Ray B/C?
アメリカを代表するアイリッシュアコーディオン奏者。ベースのレイアウトはB/Cのアコーディオンのプロトタイプになってるらしい。

John Willams ジョン・ウィリアムズ

シカゴ生まれ、ソラスの創設メンバーの彼はシャロン・シャノンやコナー・キーンなどと同世代の魅力溢れるプレイヤーだ。オール・アイルランド・チャンピオンにも輝いた確かなテクニックを持ち、プレイヤーにとってはアコーディオンとコンサティーナの教則ビデオなども出している事でもお馴染み。この最新作は前作同様に繊細で美しい蛇腹の音色が心にしみこむ。アコーディオンのソロアルバムを敬遠しがちな人(はこのページ見てないでしょうが)にもお奨めしたい。
John Willams /Steam

Dermot Byrne ダーモット・バーン

""DERMOT BYRNE "" (HBCD 0007)
Altanに参加する若きアコーディオン弾き。

Paul Brock  ポール・ブロック

""Frankie Gavin & Paul Brock/TRIBUTE TO JOE COOLEY "" (CEF CD 115)
これは名盤です。

Joe Derrane ジョー・デローン

"" Joe Derrane/GIVE US ANOTHER "" (GLCD 1149)
1930年ボストン生まれのアイリッシュ・アメリカン、ジョー・デローンの10代の頃のソロ・レコーディング。装飾過多かとも思えるくらいの超絶テクニックの演奏は一度聴いたら忘れられないかもしれない。彼はこのあと55年に渡ってボタン・アコーディオンでのアイリッシュの演奏を中断してしまうが、90年代になって再開している。そちらのアルバムも「Joe Derrane with Felix Dolan」を始めとして出ているが、スタイルもテクニックもパワーも当時と変わらず、凄い。
Joe Derrane IRISH ACCORDION
*変則D/D#。この人の場合内側が半音らしい

メアリー・マクナマラ Mary MacNamara

決して奇をてらう事なく、イースト・クレアのスタイルを自分のスタイルとして表現し続ける、コンサティーナ・プレイヤーのメアリー・マクナマラ。彼女の一族はかなり濃厚な音楽一家で、母方の伯父にはトニー・マクマホンがいる。兄はアコ奏者のアンドリュー・マクナマラ。10歳の時に彼女は父親にウィートストーン(幻の名器!)を買い与えられたという。コンサティーナを弾くならこんなプレイヤーでありたいと思わせる心清らかな演奏だ。
Mary MacNamara THE BLACKBERRY BLOSSOM 2000
Mary MacNamara Irish Concertina Music Index


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