Yokohama〜Narita〜Heathrow〜Windermere


毎年春の声を聞くようになると夫が落ちつかない。英国Folk Roots誌のフェスティバル特集号が送られてくるからだ。私たちのイギリス旅行はいつもここから始まる。まずは特集号でめぼしいアーティストの出るフェスティバルをチェック。休暇が取れるかどうか検討しながら計画を練る。インターネットでフェス会場周辺の宿を探したり、フェス以外の日程をどう使うかを考える。

ただし、今回ほど行くまで気が重かった事はなかった。前回娘を連れての旅行がきつかったのもあるし、本当は喜ばなければならないのに2週間という期間も長いように感じたのだ。でも、今回いけなければいつ行けるかもわからないし、イングランドのアーティストのライブも日本にいては殆ど見られない。今年はMiddlewichのフェスでWood & Cuttingのライブも久々にあるという。やっぱり見たいので、行くことにした。

今回は娘も週2回の通園をしているので、先生や園のスタッフにも早めに連絡した。6月は園でも活動が本格化し、参観日など盛りだくさんな催しもあったが、旅行を優先させた。先生たちも「いい体験をしてきてね」と快く送り出してくださった。
出発当日は通園日だったが、休ませて、昼ご飯は近所のラーメンの食べ納めをし、午後1時前に横浜の自宅を自家用車で出発。いいお天気で渋滞もなく、予定より1時間以上早く成田についた。前回も利用した「成一パーキング」に車を入れて、あとは空港玄関までは成一の人に車を運転してもらって行く。1時間ほど時間をつぶしてチェックイン。荷物チェックの入り口の外国人の従業員に「たくさんにもつねー」と言われる。今回はそれぞれの楽器(メロディオン&コンサティーナ)の他に娘のチャイルドシート、娘専用のトロリーバッグもある。ビデオカメラや小型パソコン、テープレコーダーなど小泉家の引っ越しのよう。ドアからドアへの車の旅行なので、あきらめずになんでもかんでも持ってきた感じだった。

airport 飛行機は成田を夕方6時半に出て、4時間ほどで香港に着き、そのあと深夜12時ごろ香港を出発する便にのる。娘は飛行機に乗るとあっさり寝てしまった。実は出発の1週間前ぐらいまで40度の高熱を出し、なかなか治らず心配だったのだが、かなり治った所で風邪薬も飲み続けていたので、そのせいもあってよく寝てくれた。香港について次の飛行機に乗り換えるのは大変だ。香港の空港はとにかく広くて乗り換えと乗り換えが遠いのだ。通路を移動中、娘が人形(メルちゃん)を落とした。私はそれに気が付かず歩いていたら、後ろから来た香港人の乗務員らしい人が拾ってくれた。感謝。危うくメルちゃんは香港で捨てられる所だった。娘は両手に荷物をいっぱい持つのが好きで困る。
香港の空港では子連れは優先的に飛行機に入れてくれる。早めに入れてくれてもこちらが航空券などを懐から出してなかったりして大いに手間取ったりして、、かっこわるい事この上なし(^_^;)。
この深夜に香港から出発する便は、いつもながらキツい。飛行機に乗って離陸すると、時間が時間なので、睡魔が襲ってくる。そこへ時差調整の為に食事が。。。もう胃のほうは「本日は終了いたしました」というサインを出しているのだが、8時間の時差に合わせるため、胃に何かを入れて目をさまさせなくてはいけない。無理して食べて、食休みをしてから寝る。というか寝ようとする。私は以前、乗り物で寝るのが特技だったが、最近はからっきしだ。飛行機も、うとうとするとクビがカクンと横に倒れて痛くて目が醒める。腰痛もあるので、足を下にして寝るのが辛い。子供の頭の膝枕をしてて重い等など、体中がストレスだらけ。それでも飛行機はヨーロッパ大陸に入り、心の準備もままならぬまま、イングランドの地に降りた。

ヒースロー空港は曇りで思ったより寒くなかった。朝の7時ごろだが、薄暗い。空港に降り立ち、入国審査。審査官の聞き取りにくい英語にはいつもPardon?とか聞き返してしまう自分。聞くことなんか決まってるのに英語を聞き慣れるには時間が必要だ。 荷物をコンベアから受け取り、空港の外に出ていく時、いつもとても不安になる。娘は他の子供たちを意識して意気揚々と自分のトロリーバッグを引いてあるく。他の人にかなり邪魔。レンタカーのバスの発着所に行き、荷物を積む。娘は自分の荷物を運転手のおじさんに手渡したので、オジさんが「おやおや!この子は」とニコニコ。 レンタカーの営業所まではわずかのドライブ。でも、荷物が多く、その上頭がぼんやりしているので、娘のバッグと夫のリュックを車に忘れてしまった。大慌てで戻ると、まだあった!運転手のオジさんが「よかった、よかった」と言ってくれて、少しほっとする。
レンタカーのカウンターではいつもと同じ手続きだ。営業所のTVではワールドカップのサッカーが放映されていた。手渡された番号の車の所へ行ってみると、トヨタ車だった。トランクも広く、車内も心持ち広かった。しかし、夫は不満。なぜかというと、カセット・プレイヤーのついた車を希望していたのだ。持ってきた音源はみなMP3でカセットテープのコンバーターのついたものだったので、CDプレイヤーの車では音楽が聞けない。「絶対車取り替えたい」と言うので私は「子連れで荷物を入れ替えたりするのは面倒」と反対したら、夫は自力で交渉に行った。戻ってきたら「問題なく車は変えられた」という。しかし、大騒ぎで移動してみたらやっぱりCD車。今度はフォードのフォーカスでさっきの車より小さい。どうも言葉が通じなかったみたいなので、今度は私が行って「カセットプレイヤーの車はありますか?」と聞くと「最近全部CDになりました」との事。「参った参った」を連発する夫。車も小さくなるし、今更さっきの車に戻るのもいやなので、損な取引だったが、赤のフォード車と一緒に旅をすることに決めた。

BBC2のラジオを聞きながら走りはじめた。空港の近辺からM4(Mはモーターウェイ=イギリス最大級の高速)に乗り、M25というロンドンの環状線に乗り換え、途中サービスエリアで休憩。イングランド戦が放映されていて、食堂のお兄ちゃんも仕事は全くの上の空で試合に見入っている。我々もコーヒーなど飲みながらTVを見るが、画面がよく見えず、そうこうしてる間にイングランドが勝ち、さっと人が引いていった。サービスエリアの売店では物価の高さを痛感する。ジュースが75pとか80pとかする。今のレートでは日本のジュースのほうが安いくらいだ。M25からM5に乗り、さらにバーミンガムでM6に乗り換えてリバプールを経由、Kendalで高速を降りる。途中道がわからなくなったが、地図を購入したり、人にきいたりして、無事、Windermereの宿までたどり着いた。案の定眠い。宿Laurel CottageはWindermereの町中の坂の途中にあった。ロケーションは最高。最初誰もいないようで、リビングでTVを見ている少年に声をかけたら、その子が家の人を呼びに行ってくれた。宿の女将が出てきて、予約があることを言うとすぐに部屋に通された。階段も部屋も狭く荷物を運ぶのが大変だったが、今までの旅行の中では標準クラスの宿で快適だった。

疲れが出てしまって億劫になるので、とにかくすぐに宿を出て町を散策する事にした。湖のほうに行くと観光バスが止まってて観光客も沢山いた。船着き場付近には白鳥が沢山いる。娘は白鳥に興味津々で寄っていくが、ちょっと怖いようだ。白鳥がガニ又でヨタヨタ歩くのをみて、マネをしたり、バイバイと挨拶をしたりしている。白鳥の中に突然白黒の犬(ボーダーコリー)が乱入しワンワン吠えている。飼い主がいない犬のようで、白鳥にエサをやってるオバサンから「こら」と怒られたりしていたが、娘はそれ以降つないでいない犬や同種の犬をこわがるようになった。swan

宿の坂を降りたすぐ近くに、庭が広く、入り口を花で飾った感じのよいパブがあった。そこへ入り、とりあえず生ビールを飲む。イギリス到着後最初に入ったパブだ。久々のビターの生。イギリスに来て良かったと思う瞬間だ。そのあと食事をするためレストランを探す。やってない店も多かったが、すでにお客が入ってるレストランに入る。窓側の席に座り、私はベジタブル、夫はラムのカレーを頼む。娘にはチップス(ポテトフライ)を注文。ちょっと待たされたせいか、食事が出てきたとたん、娘は椅子に横になって寝てしまった。お店の人が「あっと言う間に寝てしまったわね」と言った。重かったが夫が娘をだっこして宿に戻った。その日は9時頃ベッドに入る。外はまだ明るく、イングランドの旗を体に巻き付けた若いサポーターなどが往来をうろうろしていた。



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