7/31 土 Sidmouth  (day 2)


ゆうべの大冒険の疲れもいいベッドで熟睡してなんとか取れ、朝はきれいに晴れて、またまた、新しいファームでの夢のような朝ご飯。殆どがセルフケータリングのお客さんなのかダイニングで朝食をとっているのはウチだけだ。宿の奥さんのマギーさんが「夕べは楽しかった?」と話しかけてきたので、道に迷ってしまったこと、フェスではフリーセッションに参加したことなどを話した。マギーさんの身内でもケイリーバンドで演奏している人がいるという。また、「ウチで繁殖している黒いブタは日本では有名なんですってね」とも言っていた。なんと、このファームで繁殖した子豚は日本(薩摩)に輸出されて、「黒豚」ブランドとして売られているとの事。黒豚の偽物が出回るくらい日本では高品質で有名なブタのふるさとがここだったとは。何週間かあとには日本の商社の人が商談に来るとも言っていた。(その人たちは英語がうまいんだろうなあ)しかし、海外旅行って社会科の勉強になる。

*帰りの日航機の中ではなんと偶然にも「料理の鉄人:黒豚対決」のビデオをやっていた。勿論見入ってしまいました。黒豚はサツマイモを食べているから美味しいのだそうです。

食事の後には娘にせがまれたのもあったので、ファームで少し遊ぶことにした。


後ろの建物の2階が私たちの泊まった部屋がある。

木陰にたたずむアヒルさんたち

黒豚の小屋。どうやらこの小屋は個室のよう
だった。豚小屋というイメージとはほど遠い、
素晴らしい環境、と言っても住めと言われたら
困るが。

この鳥、なんというのでしょう。


ファームのプレイエリアでは別棟に泊まっている他の子供達もいた。もう一週間くらい滞在しているそう。(その子たちはその日に帰っていった)娘もはにかみながら、一緒の遊具で遊んでいた。裏の方に回るとマギーさんが台所から出てきて「あそこにいる牛、昨日仔牛が生まれたのよ」と教えてくれた。遠くに牛の親子が見える。私が娘に指文字を使っているのを見てマギーさんは「娘の同級生にも聴覚障害の子がいてね、その子は唇を読むことができたわ」と言っていた。「ウチはまだまだですよ」といったら「確かに覚えるには大変な事よね」と言っていた。

その日のフェスティバルのプログラムはゆったり目だった。お昼ごろから町中のThe Volunteer Inn というパブでミュージックセッションがある。でも、それがあのThe Old Hat Dance BandのJohn Howsonとアコーディオン奏者のDanQuinnの主催のセッション。さすがSidmouth、イギリスの蛇腹好きにとっては、大枚はたいて来た甲斐もあろうというような凄いプログラムだ。そして、メロディオンワークショップ(知らない先生だったけど)とBokaHalat(RogerWatsonのバンド)のダンスワークショップもあるのでのぞきに行くことにした。

まずは夕べガス欠寸前まで減ってしまったガソリンを入れにガソリンスタンドを探す。幸いSidmouthに行く道すがらあったので、給油。これで一安心だ。また道を間違えないように一つ一つの建物などを確認しながら、Sidmouthまで降りていく。車をフェスティバルの公認駐車場へ入れて、楽器を持っててくてくと歩き始める。駐車場から町へ降りていくのも結構な距離だが、今日は日差しも強く結構暑い。楽器を運ぶのもキャスターを持ってくれば良かったと後悔する。途中何人も楽器を持った人とすれ違う。最初にBokaHalatのダンスを見に行こうと思ったがすでに満杯で入れないという。次には2時からあるというので、volunteerInnに先に行くことにした。Volunteer Innは庭つきの感じのいいパブだった。すでに混んでいて入れないのでビールだけ買って外で聞いていた。

Volunteer Inn外観

Volunteer Innやはりビールはリアルエール。

店内は熱い演奏が繰り広げられていたが、
店内が狭くてなかなか入りにくい。

「一緒に遊ぼう」と言ってきてくれた女の子。
パブの庭で娘としばらく遊んでいた。


しばらくしてからこのパブの近くの教会のホールのメロディオンワークショップを見に行く。もうすでに始まっていた。曲はMichaellTurnerwaltzだったか。生徒は先生を囲んで座り、説明を聞きながら少しずつ弾いていく。曲の主旋律にいろいろな装飾をつけたりするやり方などを説明してくれた。先に帰っていく人が何人かいたので娘も飽きてきてしまったのもあり、ウチも途中で出ることにした。
そのあと、Bokahalatのダンスワークショップを見る。イングリッシュのメロディオンの伴奏にアフリカンビートをつけたような面白いサウンドに、イングリッシュのカントリーダンスをアフリカンなステップで踊るへんてこりんだけど楽しいダンスだった。




ボリュームのある朝食を取ると午後2時ごろにお腹がすく。食事をしに町中に出る。商店の集中する通りでレストランに入った。食事をしていたら、向こうのテーブルに見覚えのある夫婦が。 イギリスに来た1回めと2回目、セシルシャープハウスのカントリーダンスの会で会った、Chris Turner夫妻だ。このSidmouthでも公式会場の一つでカントリーダンスの会を主催していて、プログラムにも名前が載っていたので、滞在中に絶対再会できると思っていた。それに、彼は私たちに再三Sidmouthに是非来るべきだと言っていた人の一人でもある。「Sidmouthで石を投げればメロディオン弾きに当たる」とも。早速声をかけた。向こうは何故かそれほどびっくりしていなくて(多分Sidmouthはそういう所なのだろう)、それでも当時娘はまだ生まれていなかったので、「娘です」と紹介する。

食事を済ませた後、ダンスハウスのテントを通り、チャーチストリートにも行ってみた。楽器商の集まる建物があって、そこにもしかするとコンサティーナビルダーのDippper夫妻がいるかもしれないからだ。歩いている途中、娘にアイスクリームをかってやった。ピンクのアイスの中にチョコが入っている”ターキッシュなんとか”言うアイスだった。はじめっから柔らかめだったが、娘がだらだら食べるので余計に溶けて凄い有様だった。たれそうになって私が舐めると娘は怒るし。アイスだらけのベタベタの凄い有様になったので、私と娘は楽器屋の建物には入らず、夫だけ中に入った。がDipperさんには会えなかった。

各会場の夜のライブは8時から10時半だったが、Chris Wood主宰のモリスの舞台=English Groundと Andy Cuttingの参加するKate Rusby Bandのライブが重なってしまったので半分づつ見ることにする。娘にせがまれて、子供向けのテントを見たりおもちゃを買ったりして、メイン会場でしばらく時間をつぶしてから、メインアリーナのコンサート会場付近でリハを聞いているとKate Rusby Bandがやってるようだったので、一段落してからステージ脇で待っているとAndy Cuttingがテントから出てきた。今回の渡英では会えるのはこのときだけだったので、大声でアンディを呼ぶと振り向いてくれたので話しをした。娘を見て「大きくなったね〜」と言ってくれ、「今日は8時から演奏で3時間もやるのはしんどいよ〜」と漏らしていた。

本来なら3時間しっかり見たかったが、Andyの古い相棒であるChris Woodのステージも同時にあったので、まだ6時半くらいだったがそちらの会場へ行く。1時間ほど前にいって建物の外に並ぶ。会場係のボランティアのおじさんがやたらとでかい声で「チケットには名前を書いておくように!」とかやたら仕切る仕切る。名前を書いていなかった私らは足止めを食い、少し入場が遅れてしまった。会場は映画館のような劇場のような所。イギリスで何度もライブを見ているけど、こういうしっかりした劇場のような会場は初めてだった。さっきの声のでかいおじさんが、もたもたしてるお客さんに「どうした?誰か探しているのか?」とか何とか聞いている。そのお客さんが何か言ったら、その会場係のおじさんが突然「ジル!おまえの友達が探してるぞ!」と凄い大きな声で叫んだ。他のお客さんが笑う。このおじさん、ノーマイクで呼び出し放送をするのが特技のようだ。

Chris Woodのステージ、On English Groundはモリスをテーマとしたミュージカルのようなもので、リバーダンスのイングランド版でしかも小規模にしたようなものか。会場が真っ暗になると Chris Woodが客席からギターの弾き語りをしながら出てきた。歌の後は朗読。普通のライブとは違ってお客さんとのやりとりとか、フリートークなどはない。Chrisがステージ脇へひっこむと今度はフィドル奏者男女二人が出てきた。一人はあのJohn Dipperだ。彼の家で聞いたとき以来だったが、ますますその腕に磨きがかかっている。素敵〜のひとこと。 続いてモリスダンサーの群舞、そしてソロ。みんな若いダンサーたちだ。中にはステージから飛び降りたり等、型破りなモリスをやるダンサーもいて凄く面白い。考えてみるとこういう形でモリスダンスを見るのは初めてだし、多分、モリスダンサーたちも、初めてだろう。プロ意識とかステージで人に見せるという形でのダンスとしてはまだ荒削りな彼らだが、凄く画期的なものを感じた。「モリスってかっこいい!」と心底思えるパフォーマンスだった。残念な事にこの企画はSidmouthのこのステージ1回かぎりのものらしいが、必ず再びどこかで上演されるのではないかと思った。

休憩時間にロビーに出ると、入り口の所でJohn Dipperがいたので夫が話しかけた。Johnはウチの娘を見て「ウチに来たとき、赤いキツネのヌードルを食べていたのを覚えているよ」と言った。夫が「フィドルの演奏が素晴らしかったよ」というとJohnは「耳ふさいでなかった?」などと言っている。今回の公演が一回限りであること、(世界一の)コンサティーナビルダーであるお父さんは火曜日にフェスのアンオフィシャルなコンサティーナのワークショップに現れる事などを教えてくれた。

John Dipperに初めて会ったのは彼がまだ高校生の時で、エレキを見せてくれたりプログレなんかを聞いてる等と言っていた。その次に会ったのは高校卒業の頃で、美術系の高校だったのか、卒業制作のオブジェをみせてくれて、私がおみやげに持っていったTシャツにプリントしたCGを見て「凄い凄い」と関心してくれて、お父さんの"Franglo"とフィドルの共演をたっぷりと目の前で見せてくれた。で、前回行ったときは家を出てガールフレンドと暮らしてるなんてお母さんに聞いたのだが、その頃から彼の名前をFolk Roots誌でよく見かけるようになり、、今はChris Woodと(Dr.Faustusの)Robert HarbronとEnglish Acoustic Collectiveで活躍している。当然の成り行きなんだろうけど、なんだか月日を感じる。

こちらのステージも最後まで見たかったのだが、室内の公演のため、子連れではいつ飽きて騒がれるか気が気じゃないのもあるし、さっきAndy Cuttingと見に行くと約束した(わけでもないんだけど(^^;))のもあるので、メイン会場のアリーナショウグラウンドのライブ(Kate Rusby & John McCusker with Special Guests)の方へ戻ることにした。徒歩では10分か15分くらいか。子供連れでは早足の移動は少々きつい。(体力がない、のじゃなく、ノロいから(^^;))
会場についてみると、ちょうどこちらのライブも休憩中だったので、空いている場所をみつけてレジャーシートをひいてすわる。屋外とはいっても満員で、座れた場所は山のかなりの頂上の方だった。日没も近くなり、雰囲気は最高。夕暮れの中心地良い音楽が流れ、遠くの方に会場を行き来するCoachbusが走っているのが見える。このKate Rusby & John McCusker with Special GuestsのライブではシンガーソングライターのKate Rusbyとパートナーのフィドラー、John McCuskerを中心にAndy Cuttingのメロディオン、Ian Carrのギター、ゲストに(日本にも来た)Eddie Reader、(低音が渋い)Dave Burland、ブラスのGrimethorpe Colliery UK Coal Band Iain MacDonald, James MacIntosh, Ewen Vernalなどが入る豪華版のショーだった。ショーが終わった後、さっきのテントの脇で20分くらい待っていたが、Ian Carrに挨拶だけすることができた。それにしても帰るお客さんの多い事。みんな山の上の駐車場に向かって歩いている。帰る車は渋滞状態。えっちらおっちら駐車場まで上っていっても広くて平坦でない駐車場で自分んちの車を見つけるのにも一苦労。首尾良く車に乗り込んでも、駐車場を出る車が四方八方からやってくるので、誘導の人も仕切るのが大変で、なかなか出ることができない。今度は迷う事なく宿に着くことができたが、大分遅くなってしまった。

ステージはかなり遠い。

真ん中がDave Burland

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