Croydon〜Hatesbury〜Bradford on Avon (Wiltshire)


Croydonで泊まったホテルは他の都市で泊まったどのホテルよりも値段が高かったけれど、部屋は狭く、シャワーカーテンはおっこってくるわで、あまり言い印象がなかった。おまけに朝食はコンチネンタル。でも、唯一ビュッフェスタイルなのが気に入った。前の晩演奏に夢中になって、あまり食べなかったので、朝えらくお腹がすき食べ放題のパンを3個か4個も食べてしまった。セルフのコーヒーも美味しい。ここで発見したのだが、イギリスには日本によくあるような果物のヨーグルトの他にキャラメル味のヨーグルトがあって、これがなかなか美味しい。食事拒否の朋もこれはよく食べた。普段朋が食べているシリアルやバナナもあって、助かった。

10時ごろホテルを出て、ロンドンの環状であるM25に乗り、M3で西に向かった。BasingstokeあたりでAクラスの路線に降りWarminsterを目指す。このルートはあの有名なストーンヘンジも通過する。幹線道路からちらりと見ることもできる。 (97年の旅行参照) さらにWarminsterからDipperさんちを目指す。97年の旅行のことがよみがえる。ただ、場所の記憶がいまいち。そういえば地図も持っていたのだが、出さずに記憶を頼りに走っていたら、ついた。

Dipperさんはイギリス1、というよりも世界1のコンサティーナ制作者だ。イギリスをはじめ世界各国に彼の楽器を心待ちにしている人が沢山いる。昨日会ったPeter Trimmngさんも10年待ってやっとDipper Concertinaを手にしたという。コンサティーナは世界でも作ったり修理できる人が少なく、Dipperさんに注文が殺到しすぎて最近は注文を打ち切っているという。
そんなDipperさんとのご縁はやはり95年にはじめてイギリス旅行をしたとき、Chippenhamのフェスティバルで会ってからだった。それからイギリス旅行の度に家を訪問している。一度はウチも楽器を作って貰ったが、それからは顧客としてではなく、ありがたいことにゲストとして家に招いてくれている。今回は是非奥さんのRosalieさんにもウチの娘を見せたかった。

家の呼び鈴をならすとDipperさんとRosalieさんが迎えてくれた。長男のJohn君もいる。娘さんはなんとその日、ロンドンのホールでオーケストラでトランペットを吹くという。前に会ったときには可愛いお嬢さんだったが、もう16歳。やっぱり音楽の才能に恵まれているのだなとおもう。John君は前回の訪問では高校を卒業したところだったが、今度は大学も出たらしい。

いつもの台所に通されると、もうお昼ご飯の準備が整っていた。朋はこんなおうちにやってきていったい何事?という感じ。私にへばりついて離れない。朋には高い椅子を用意してもらったが、それにも座らず私にだっこされている。お昼ご飯はRosalieさんいわく"Ploughman's lunch"。農作業の時のお弁当のようなものらしい。要はパン、チーズ、くだもの、などセルフサービスで好きなようにとって食べるのだ。私はイギリスのチーズを味わえるのが嬉しかったが、朋は食べられるものがなくてすねている。仕方がないので、お湯をもらって日本から持っていった「赤いきつね」のミニカップを食べさせた。向こうでもカップヌードルはあるのだが、Dipperさん一家は興味津々。朋はうどんが出てきたので大喜びで手掴みでうどんを食べた。ウチの子がうどんをつるつるするのを見てRosalieさんは「あらあら見て!」とおもしろがっている。油揚げを見て、「これなに?」といわれたので、揚げた豆腐でこれが狐と言う意味なんだよ、と答えた。カップのフタには確かにFOXの絵。なんとか朋も機嫌をとりなおしてやれやれ。

photo photo Rosalie さんが朋にうさちゃんを見せてくれるというので庭に出た。兎は娘さんが好きなのだそうで前から飼っていることは聞いていた。でも見るのは実ははじめて。広い囲いの中に2羽の兎がくつろいでいる。朋は最初Rosalieさんに人見知りしていたのに、兎の囲いの中に入れてくれるとわかったとたんに、だっこをせがんだ。朋は兎にかけよって、抱き上げようとしたり、大喜び。でも、兎にとっては迷惑この上ない。なにがいやだって、あのキーキー言うカナ切り声。そのうち2羽とも小屋の中に隠れてしまった。

photo 部屋にもどってしばらく話をしたあと、Johnがバイオリンを弾いてくれた。前からバイオリンをやっていることは聞いていたが、こんなにうまいとは知らなかった。最初はお父さんの作った1本弦のバイオリンのおもちゃで遊んでいたけれど、8歳からクラシックを習いはじめ、途中親に「練習しなさい」と言われるのがいやで挫折しそうになったけど、ずっと続けているという。フレンチやイングリッシュ、アイリッシュチューンなどを弾いてくれて、数曲はお父さんの発明楽器Frangro(アングロコンサティーナとメロディオンが一緒になったような楽器)との共演も聞かせてくれた。ウチが日本に帰ったあとの週末にはフランスのフェスティバルに行って楽器の展示をするという話だったが、きっと親子でこのようなデモンストレーションもするのだろう。私も持っていったコンサティーナとDipperさん手製のメロディオンを借りたりしてJohnとセッションさせてもらった。凄く嬉しかった。美しいバイオリンの音色にいつまでも聞きほれていたかったが、この日の夜は30分ほど離れた町に住んでいるChris TImsonさんとのアポもあったので出かけざるを得なかった。Johnはそれでも弾き始めたら止まらないといった感じで次々と曲を弾いてくれる。おかあさんに「いい加減にしなさい」と止められていたけれど、本当に聞いていたかった。Rosalieさんは朋にピーター・ラビットのマグと美しい数のお遊びカードをプレゼントしてくれた。私はコンサティーナを弾いてる猫のイラスト(ホームページ参照)のTシャツとコンサティーナの静物画の自作Tシャツをおみやげに作っていったのだが、それを手渡した。Dipperさん親子は今度のフランスのフェスで着るよ、と言ってくれた。

photo 泣く泣くDipper さんちを出てBradford on Avonへ向かう。市内に入る方向としてChris Timsonさんちが先になるので、そちらによって挨拶してからホテルにチェックインした。Bay Tree Houseというホテルで町の中心にある。ここはe-mailが使えてすぐに予約がとれて、とても良かった。門構えは地味だったが内装はインテリア雑誌にのっていそうなくらいおしゃれ。宿の人もにこやかで明るくて親切。(写真:左)

そこからすぐにTImsonさんちへとってかえした。(Chris Timsonさんはインターネットでは有名なConcertina Faqを主催している。Chris TimsonさんとAnn Gregsonさんについては97年の旅の所を参照) 97年の旅行の時と同じように、2人は迎えてくれた。でもこちらはやんちゃな娘一人が加わっている。さっそく居心地のよいリビングに通して貰った。相変わらず朋は人見知りをしているが、前日よりは少しリラックスしている。おりしも外では雨が降り始めた。猫のクッシーも元気だった。相変わらず人の足が好きで、ほおずりして回っている。人なつこい猫だが、朋の「ネコちゃんダキダキ攻撃」には恐れをなして逃げてしまった。

Timsonさんはテキサスのビルダーに作って貰ったという面白いコンサティーナを見せてくれた。photo四角いコンサティーナで、中はアコーディオンのリード、金属のケルト文様が綺麗だ。音はアコーディオン的な音。「本当は六角形のやつもあるんだけど、そっちは高かったから」とTimsonさん。でも、四角いのもなかなかユニーク。それともう一つ。昼間会ったDipperさんに作ってもらったという10年待ちのパリトン・アングロ・コンサティーナ。こちらは更に美しい楽器で、音も弾き易さもピカイチだった。 photo

飲み物などをいただいたあと食事をご馳走になった。相変わらず朋は何も食べない。ミルクをかろうじて飲んだが、それもこぼしたり大変な騒ぎ。それを除けば、Bradfordの雨と美しい庭と茶トラの猫、まるで絵になりそうな素敵な晩だった。Timsonさんは「僕は雨の音を聞くのがすきなんだ」と言った。デザートは庭で取れたというすっぱい赤いラズベリー。日本ではあんなに沢山のラズベリーを拝むことなんてそうそうできない。食べ放題だったが、あんまり沢山は食べられなかった。

photo そのあと2階へ上がってパソコンを見せて貰ったり、Annのグリーティング・カードを貰ったり(これらは販売されているもの)アコーディオフォンという世界に4台しかない珍しいイングリッシュコンサティーナ(写真:左)を見せて貰ったり、セッションをしたりしたが、雨のせいか疲れのせいかみんななんとなく眠くてだるかった。Timsonさんも仕事が忙しくて朝も早かったらしい。その日は22:30ごろおいとました。


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