Ely Folk Weekend


市内にて

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photo 日曜の予定は午前中にモリスのディスプレーがあり、午後3時にはお目当ての2 DUOS QUARTETの"MEET"が町の体育館内のクラブであるということで、昼間は車を使わず徒歩で町に出ることにした。それにしても寒い。朋の服は食べ物の食べこぼし、ダンスフロアころげまわりでみんなどろどろに汚れてしまったし、洗濯する時間もないしで至急なにかを買わなくてはならない。私の服も何か買いたいと思う。

ホテルから市の中心部までは歩いて10分足らずだった。昨日のパブも宿からは実に近いところだった。日曜の朝、町のシンボルであるカテドラル(写真左)からは礼拝の鐘が鳴っている。町は昨日とうってかわって、閑散としている。お店も殆どしまっている。雑貨屋だけはあいていたので、朋の為にジュースとクリスプス(ポテトチップス)を買う。ケンブリッジシャーの地図も記念に買う。まだモリスダンスの気配もなく、ぶらぶらと道を歩いていたら、広場でトラクターのパレードのようなもというか品評会のような事をやっていた。いろんな大きさ、形のトラクターがずらっとならんでいる。 (写真右)photo

photo この広場で折り返して、カテドラルへと引き返した。相変わらず町は静かだが人が少しづつ増えてきた。カテドラルの前の芝生で休憩することにした。向こうに中国系の家族(3世帯くらいいた)がいて子供達もボール遊びをやっている。こういう芝生で町中でのんびりできるのは本当に素敵だ。礼拝も終わったみたいなので、夫がカテドラルの中を見学しにいった。ステンドグラスが素晴らしいとのことで、私も朋をつれて見に行った。

カテドラルの中は広く、見応えがあって、ざっと回るだけでも20分くらいはかかっただろうか。外に出てみると、モリスダンスのディスプレーが始まっていた。30〜40分ほど見てからお腹がすいたので、カテドラル脇のパブに入った。ここのお店は子供も大丈夫で、食べ物も美味しかった。"Real Ale"という英語がここへきても、まだなかなか通じない。
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●パブ外観。花などで飾られて美しい
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●朋はこの店にいた他の子供たちに
さかんに愛想をふりまいていた。
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●パブでの小泉家の食卓。フィッシュ&チップス
は大きいので一人分だけをとったが丁度よかった。



いよいよ、この旅のメダマ2 DUOSのライブ

のんびりと昼食をとってから、いよいよ2 DUOS QUARTETのライブ(MEET)のあるスポーツクラブへと向かった。ライブ会場は2階で、ベビーカーをもって上がった。2階は体育館が見おろせるバーがあり、そこでビールやコーヒーが飲めるようになっている。すでに2 DUOS QUARTETのメンバーが座ってくつろいでいた。タイミングを見計らってChris Woodに挨拶する。

2 DUOS QUARTETとは文字どおり2つのデュオという意味で、1つはKaren Tweed & Ian Carr (ピアノアコ&ギター)もう一つはChris Wood & Andy Cutting(フィドル&メロディオン)というデュオが2つ組合わさってできたユニットのことだ。勿論この2つのデュオは前々からのファンだが、合体ユニットになったと聞いてますますライブを見てみたくなっていた。出しているアルバムは1つだが、トラッド以外にオリジナル曲が多く、トラッドの範囲に収まらないような演奏を展開しているのが興味深かった。何を隠そうこの私もピアノアコーディオンとのバンドをやっているが、メロディオンがピアノアコと直接対決するのはなかなか大変なので、そこらへんも大いに楽しみだった。

ライブのお客さんはやっぱり20人くらい。自分で椅子を適当にもって座った。朋よなんとか静かにしていてくれと願うばかり。ライブが始まる。最初はそれぞれのデュオのレパートリーなどを演奏した。KarenとIan の2人の演奏を見るのははじめてだが、これがなかなか面白かった。夫婦だということで息がぴったりなのは勿論だが、楽器の持っているモダンな特性ともあいまって、お洒落で小技がきいてて、起伏や変化があってわくわくする。2人バンドというのは最強だな、と再認識してしまった。一方Wood & Cutting。こちらは変化しながら流れる水のようなKarenとIan とは全然違う持ち味がある。96年にはじめて彼らを見たときはものすごいインパクトがありすぎて、日本に帰ってからも、いろんな来日ライブを見て盛り上がってる回りをみては「あんなもんに、感動して、ふっ、キミたちゃまだまだ純粋だな」なんてクールになりすぎた不幸な自分があったくらいだった。(^_^;)それがまたこうして子連れでライブを見に来られた事を幸福に思う。

photo 4人での演奏はアルバムからのオリジナル(1曲目、2曲めの曲だ)。CDで聞いていても感じたことだが、4人でセッションをしているうちに彼らの高い演奏技術と感性でこういった曲を構築していったのだなという気がした。曲によってはピアノアコとメロディオンはときどきリードを交代するのだが、Andyのメロディオンが全く一人で弾いているパートがあったりして、その音の厚みには驚いてしまった。
このバンドをリーダーとして仕切っているのはChrisのようだ。演奏中、Ianが2回も弦を切ってしまい、その間みんなが場つなぎにMCをやる。蛇腹楽器はチューニングがないので、しゃべりは不可欠だ。こういう役割分担も見ていて面白い。KarenとAndyは演奏しながら実に面白くてしょうがないと言った感じで顔を合わせてはニコニコしている。特にKarenのニコニコは私が参加させて貰ってる「蛇腹ジャム」バンドのピアノアコ・プレイヤーのクミコさんを思い出してしまった。アコーディオンプレイヤーは笑顔が一番。

photo photo1時間のライブなので曲数はあまり多くはなかった。終わりの方にはトラッドを数曲。Andyはあの4枚リードのアコーディオン"MAX"を出してケベックの曲を演奏した。(写真左上:Andy は一番右)オリジナルの曲はモダンな演奏をしていた彼らだが、こういったトラッドの曲になると今度はボルテージがぐっと上がる。それぞれのデュオだけでは見られない4人の底力だ。

ライブが終わってしばらくしてから、思いっきりミーハーモードでメンバーみんなにCDにサインしてもらった。4年前と同じくChrisは自分の万年筆でサインしてくれた。2 DUOSのCDだけでなく、Wood & Cuttingの最新アルバムにもしてくれた。カレンは朋のピンクの靴をかわいいと褒めてくれた。(写真:記念撮影に快く応じてくれたメンバー。)

フェス最後の夕、朋は絶好調。

市内の会場を出て徒歩で一旦宿に戻り、車に乗って郊外のメイン会場へと向かった。フェスティバルはもう大詰めだが、めぼしいライブはトリの2 DUOSくらいだったので朋をしばらく子供テント付近で遊ばせたり、店を冷やかしたりしてのんびりと過ごすことにした。
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●こういうワッカがいっぱいあって
自由に遊んでよい子供テント。
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●朋は犬がいるといきなり大喜びで寄っていくので
一歩手前で止まるように言ったら、なんとか守る
ことができるように。でも次の瞬間、この犬の足を
ふんづけた!


やはりこういうのんびりしたフェスはいい。いままで小さな町のフェスティバルばかりを見てきたが、一度だけインターナショナルな巨大フォークフェスティバルに出かけた時は盛りだくさんすぎて見たいものが全部見られなかったし、体もくたくたになってしまった。そういうフェスは子連れではまず楽しめなかっただろう。

とはいえ、大テントでフィナーレのライブは見逃せない。そろそろ席を確保しようということになった。テントに入ると、トリから3番目のバンドが出ていた。Seize The Dayというコーラスバンド。歌にはかならずメッセージが込められている。政治的なプロテストが多いけど、全部そういうワケではないとのこと。お客さんはそれでも満員というわけではなかったし、勿論通路に空き間が大きいのでベビーカーなどを置いても全然邪魔ではない。私は朋を夫にまかせて食事の確保に行った。

食事はカリビアン・フードの屋台。黒人のおじさんがやっている。フライドチキンつきのカレーを買った。イギリスに於いてはこういうメニューはなんだか郷愁をそそる。それをもってテントに入る。テント内飲み食いも全然OKだ。お米が添えてあるので朋が食べてくれるとよいと思ったら、お米ばかりか、かなり辛いカレーの部分も殆どペロリと食べてしまい、日本では絶対に食べなかったフライドチキンも食べ、ゴミとしてよけておいた骨まで食べようとするではないか。何を考えているんだ、このがきんちょは。 つい2、3日前まではポテトチップス以外何も食べなかったというのに。 しばらくSeize The Dayの歌にうっとりし、Dick Gaughanの出番となった。彼は日本でもかなり名の知れたシンガーソングライターだが、個人的にはCDとかはもってなくて予備知識はなし。(すみませんm(-_-)m)しかし、彼のパワーと存在感のある声とギターは大物の風格を感じることができた(歌詞の内容はよくわかりませんでした。) 本来であれば、彼がトリという気もするのだが。

そのうち朋が退屈しはじめたので今度は夫が食事をしてくるというので、朋を連れて出て貰った。ここへきてのんびりとライブを楽しむことができて、つかの間の天国だ。しかし、外では雨音が。イギリスへ来て何度も雨が降ったがいつも車の中や建物の中で助かっていた。パパと朋は大丈夫だろうか。Dick Gaughanのライブが終わると、2人が雨に濡れて帰ってきた。朋はパパの帽子を被ってなんとか雨に濡れずに済んだらしい。二人は屋台で焼きそばを食べたらしいのだが、またしても朋はバカ食いしたらしい。食べてたらあのひょうきんな楽器屋=PJおじさんがやってきて「そんなにヌードル食ったらトモはデブになるぜ」と言ったらしい。でも夫は「ヌードルはヘルシーなんだ」と言い返したそうな。

1時間づつのライブ(正味50分くらい)なので、いよいよ2 DUOSの出番だ。フェスの役員が出てきて彼らの紹介をする。「ごめんなさい、全員の名前が言えなくて」とメモを見ての紹介。彼らのライブは大体昼間と同じ演目となったが、1、2曲おおめにやった。お客さんもさすがに増えてきて、みな実に熱心に、楽しそうに聞いている。しかしライブ中頃になって朋がぐずりだした。だましにオレンジジュースを与えたが、わざとそのビンをまっさかさまにおっこどし、私はそれを受けとめようと思ってビンが一回転、前のご婦人のフリースジャケットにびっしゃりとかかってしまった。うわー、最悪。今でもその悪夢がスローモーションでよみがえる。朋もベタベタ、私もベタベタ、でもとりあえず前の人に平謝り。そのご婦人はコンサートを楽しみたいのか「いいから、いいから」と無表情で言ってくれた。本当にすみません。 (その人、コンサートの間後ろから見てたらどうも家族で来ていて、子供は男女2人で16か17歳くらいで、結構しつけにうるさそうなお母さんだったのだ。) そんな惨状をみかねて夫がまた朋を連れ出してくれた。テントの後ろの方の広い場所で立ってみていたらしい。ときどき演奏の合間にうしろから朋の声が聞こえる。テントの中には犬も入れるので犬を見ては喜んでいたようだ。他の赤ちゃんをみては手をふったりもしてたらしい。

気をとりなおして2 DUOSのライブ。Chrisの歌(娘の事を歌った歌らしい)とケベックのメドレーがよかった。アンコールもあり、21:30ごろに終わった。スタッフの挨拶などもあり、我々もゆっくりとテントを出ることにした。もう一度彼らに挨拶をしたいのでステージの前の方へ行った。Chris Woodだけがまだ残って片づけをしてたが投げキッスで挨拶してくれた。

そのテントから駐車場まではほんの100メートル足らずの距離。さすがに日はとっぷりと暮れていた。フェスが終わってスタッフの人たちもほっとしているようだった。スタッフの一人の女性が寄ってきて、スタッフバッジをお嬢ちゃんのおみやげにどうぞとくれた。「R」とだけ書いてあるあんまりかわいくないバッジだが、いい記念になるだろう。車の所でベビーカーをたたんでいると、Chrisとまた会ってしまった。なんと彼の車はウチの2つ隣だったのだ。かえりがけに思わず車種をチェックしてしまった。凄い高級車に乗ってるんじゃないか、というのは勿論こちらの幻想。でも、我々にとってはロックスターと同じくらい、憧れの人なんだよなー、と思う。朋はもう寝ていたが、夫は車の外でスタッフの何人かに声をかけたりかけられたりしながらお礼を言った。そうしてフェス最後の晩は終わった。




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