1997/07/22 Heathrow〜Warminster〜Wales


車 空港で車を借りました。

香港経由のキャセイパシフィックロンドン便は成田を夕方 に出て、夜遅く香港にて乗り継ぎ。朝寝坊が出来る便なので去年から利用 している。空港から眺める香港は去年とちっとも変っていない。

ロンドンには6時前に到着、入国はいくらか並んだが、荷物を受け取り、空港のHERTZのカウンターへ直行する。レンタカーは日本で予約していったので早速手続きをしようとするが、早朝なので誰もいない。電話で呼出してみると、送迎バスに乗ってくれればよいという。営業所の受け付けのインド系のお姉さんは優しかったが、頭が時差ボケの所で初めての英語攻撃。戸惑いながらなんとかクリア。車はカセッ トレコーダー付きのフォード・エスコート。去年借りたものと同車種だが、少し紺の色が濃い。アメリカ車だが、日本車とはワイパーとウィンカーの位置が逆で間違えるとちょっと間抜けだ。

Stonehenge 有名なストーンヘンジを見学。

営業所の出口を出て同じ道をウロウロしながらもなんとか高速M4に乗る事 ができた。英国で一番怖くない道路は最大級の高速道路でMのつく道路。 とにかく道が真っ直ぐだからひたすら走ればよいし、広い三車線。表示も解りやすい。 最初のサービスエリアでその日の2度目の朝食を取り、夫は早速「今日行きたいんですが」とDipperさん宅へ電話。「今どこにいるの?」とにこやかだったようだ。(私は夫より英語ができるのに、電話嫌い。)サービスエリアを9時すぎに出ても、朝10時にはストーンヘンジについてしまった。イギリスは狭い。そこでゆっくりと見学。ストーンヘンジはA303という道路の脇に出し抜けにある。本当にまわりはただの草原で羊やなんかも見える。日本語のガイドの聞ける無線機が借りられるが入場料はバッチリ取る。

お昼すぎにDipperさんとこにいくつもりでも、まだまだ時間はたっぷりあるので早目の昼を取りWarminsterに入った。前前回、前回は余裕がなかったのか全然気がつなかったがDipperさんちの隣はちょっとしたパブのようなお店、反対側の隣には馬が放牧されているような場所だ。Dipperさんのお宅は150年くらい前のイギリスの典型的な田舎屋で、家族4人が住んでいる。
Dipper house 世界1のコンサティーナ・ビルダーの
Dipperさん宅を訪問。今年で3回めです。

家の呼鈴をならすと、息子のJOHN君が迎えてくれた。彼は2度めなのでよく 覚えてくれていたみたい。いつもの台所に案内してくれると、すぐにコーヒー を入れてくれた。こんなにかいがいしい少年は日本にはいない。JOHN君は 今度の夏で高校を終わり、これから大学に行くと言う。高校ではアートと音楽 をやってたというが、後でその卒業制作展の写真も見せて貰った。それに、自分でギターなども作ってしまうし、お父さんの仕事も手伝い始めている。 奥さんのロザリーさんは娘さんを学校へ迎えに行っていて、すぐに2人でかえってきた。日本と同じで22日あたりが終業式らしい。娘さんはすっかり女らしくなっ ていたけど、やっぱり態度はあどけない。

日本からおせんべいとお茶とうちわとお茶碗、てぬぐい等を持って行った。 ロザリーさんはいつもながら喜んでくれる。「まるで私のバースデーみたいね」 「このうちわはコンサートにもっていくわ」などなど。英国ではみんな おせんべいなどのパッケージを手渡すと大抵横にして読もうとする。縦書き なんだけどな。

我々がお茶を飲んでいると少し年かさの紳士がやってきた。彼等の会話は 殆ど聞きとれなかったけど、アイリッシュをやる人で彼女の娘さんは コンサティーナでアイルランドチャンピオンになった事のある人だという。うー、 名前忘れた。Dipperさんはまだ駆出しの頃にこの娘さんに小さい小さい コンサーティーナを制作したそうだ。まだシリアルナンバーは2か3の 頃らしいが、今はお孫さんの番らしい。(Dipperさん夫婦とこの男性はウィリ ー・クランシーのサマースクールの話などをしていた) この男性は少し話をして帰ったので、PIOさん(大島夏生氏)から託されたビデオレターを見せる。内容は中古のデュエット・コンサティーナの修理とケースの制作依頼。Dipperさんは小さなデジタル・ビデオ・レコーダーに写ったPIOさんの映像をうなづきながらみている。すぐに奥さんも呼んで「おいおい見てご覧」と二人で 小さなモニターに釘付けになっている。奥さんは「まぁこんなに小さいビデ オで、まぁ!」と満面の笑顔。
一方ウチで作ってもらった楽器はDipperさん家に初の里帰りだ。Dipper氏は もういちど念入りにリードの反応を見ている。私などはこれでパーフェクト な楽器と思っていたけど本人にはまだまだのようで、すぐに屋根裏の工房 へ案内してくれた。

Dipper一家は実はまだ昼ご飯が住んでいなかったみたいなんだけど、娘さん ですら「お菓子を食べてTV見てるるからいいのよ」と言うので娘さんを 除く一家3人が屋根裏の工房へ集結し、作業を始めた。JOHN君はリードの チューニングを手伝っている。膝で動かせる蛇腹のついた卓があり、そこ にリード板をあてがい空気を送り込んではチューニングメーターで測定。小さなやすりで少しづつ削っては様子を見ている。一番難しい仕事のように思えたが彼はもう それをやっているのだ。奥さんは蛇腹の芯になる紙を張りあわせ、はさみで裁断。洋裁に似た仕事だ。本人は「大きな紙をわざわざ小さく切ってまた張り合わせるの。一日をつぶすにはいい方法ね。」なんて皮肉っぽく言うけれど、この奥さんの蛇腹は多くの壊れ掛けたコンサティーナに新たに命を吹き込んでいるのだ。

工房は少し模様替えされてて物が少し増えた感じ。それから、白い壁はご主人が 留守の間に奥さんがJOHN君と塗り直したという。屋根裏の斜の壁には 沢山の人の名刺が張ってある。ケース屋さんや楽器店の名刺に交じって JOHN WILLAMSやCHRIS WOOD等の名刺もある。私たちの名刺もCHRISの名刺 の横に張ってもらった。

この屋根裏に登って来る前に実はDipperさんとJOHN君が二人で演奏して いる写真が額に入れて飾ってあった。なんとJOHN君がフィドル、Dipper さんがCASTGNARIのメロディオン。それが気になったので、Dipperさんに 尋ねると、すぐに下の部屋におりてメロディオンを2台だして来た。 1台は古いもので、なんでもDipperさんがむかーしむかーしに自作した メロディオンでリードはホーナーのものらしい。箱がいいせいかなかなか 上品な音。もう一つは上記の写真のもので、ALAIN12と言う機種。 DipperさんはCASTAGNARIの職人さんとは顔見知りで、その人に作って貰ったとの事。これは音の配列がちょっと特殊だ(4番目が5番目がキーの音になる)それから、最後に例のFRANGLOを出してきた。Dipperさん曰く、「メロディオンと言えばこれしかないでしょう」FRANGLOとはDipperさん考案の楽器で、フランスのプレイヤーから相談を持ちかけられて誕生した楽器だそうだ。名前はフランスとアングロの合成語。実はDipperさんの家に来る度にこの楽器を触らせて貰っていたのだが実際にじっくり触らせて貰ってやっと音の配列がわかった。左は12個のボタンが2列に渡って並んでいるのだが、これが12ベースのメロディオンと同じ、右はコンサ ティーナと同じだが、アングロの右の配列ではなく、左のような配列に なっている。エアバルブはバンドネオンのそれのように大きいので非常 に操作しやすい。(詳しくはCHRIS TIMSONさんのコンサティーナFAQをみて下さ い。私の撮った写真もあるです)3年目にしてやっと解ったとはDipperさん には内緒。

今日はこの後どうするの?と尋ねられて、その晩はウエルズに行く事に 決めたというと、Dipper夫婦はいろいろな本やガイドブックを出してきて いいポイントを教えてくれた。WILTSHIREとWALESは鎌倉と箱根位の 距離だろうか?なんとDipper夫妻は新婚旅行はWALESだったそうだ。 もう6時を回っていたので出発しようと思ったが奥さんがちょっと何かを 食べていきなさいという事でまたお言葉に甘えてチーズとパン、果物等の 軽食を出して貰った。

Wales
WarminsterからChippenhamそしてWalesへ。赤いラインは Dipperさんお奨めの景勝コース。素晴らしい眺めだった。

Dipperさんの家を名残惜しく出てから、車は一路ウエルズへ。Warminster から北上し、1年目におとづれた懐かしのChippenhamを経由するつもりで 多分Bradford on Avonを迷いながらM4に戻り、西へ。イングランドと ウエルズの境にはSevern川というのが流れていて、レインボーブリッジの ような大きな橋がかかっている。そこを抜ければウエルズだ。そこより すぐに別の道路へ右折するとDipperさんの教えてくれた絶景ポイント。 山道だというけど、鎌倉山あたりに比べたら大した事はない。それでも 夕方(といっても夜8時ころ)で最高の雰囲気。おまけにところどころ 廃虚となった教会、修道院のような建物が点在している。道路は川を右に 左にみながら進み谷を抜けさらに右へ。当りは暗くなってきて不安だった が今日の晩はABERGAVENNYまで目指そうということで何とかこの町に辿り ついた。

しかし、夜10時すぎだというのにホテルを3〜4件当っても全然空いて いない。おまけに値段がかなり高い。元来た道を戻りながら、手当り次第 に当ると、一番繁華街のパブの上のB&Bが空いていた。日本人で珍しい のかジロジロ見られてる気がして不安ながら、オバちゃんは優しいし、 部屋に入ってみると、清潔おまけに料金は40ポンドで格安。一番いい 所に泊れてやれやれ、夫は下のパブでビールを買って、部屋まで持ってって飲んでもいいというし、最高だった。しかし長い長い一日で疲れてしまった。 (大体この町の名前は何て発音するんだ?ABERGAVANY)

                         


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