1997/07/26 Cambridge


session人気があったへんてこな帽子を売る店。

さてフェスの楽しみの一つ出店をチェック。会場内にはまずお馴染みFISH& CHIPSとフライドチキン、ピザ、メキシカン、ジャパニーズ!(怪しいチャイニーズとも言う)等のケータリングのお店の他、生ビールの大テント(主宰がチャールズ・ウエルズというビール会社だから)がある。この大ビールテントが凄い。常時人でいっぱいで、生ビールが飛ぶように売れて行く。ビターもスタウトもラガーもなんでもござれ。ギネスだって生だい!というビール好きには天国。生4パイント入りジャグってのもある。夫はここに足しげく通った。それに1パイント入りのフェス公認のタンブ ラーも市販されている。こちらではフェスティバルにマイ・グラス(タンブラー)を持参する人も多い。プラスティックのコップで飲むよりは勿論ずっと美味しいのだ。一方、勿論缶を沢山買込んでテント内で長期戦をいどむ者もいる。フェスにビールはかかせない。

beerビターを飲みながら、プログラムを吟味。至福のひととき。

出店は小さなコンビニみたいなもの、洋服、帽子、アクセサリー、そして楽器、CD、公認グッズショップなどがある。楽器店は英国お馴染み北部のSound Interstingと南部のHobgoblin Musicはなんと向いどおしだった。初日の夜チェックした所、Sound Interestingには去年会ったメロディオンビルダーのMARTINさんがいたので挨拶して「知合に会えてよかったよかった」とホっとしてたんだけどHobgoblinには知ってる人が誰もいなかった。ニールはもうやめちゃったのかなぁ、ガーン。でも2日目には去年いろいろ親切にしてくれたCHRIS君を発見。ニールは別のフェスに行ったよとの事。でも商売敵のこの2つの店で両方いい顔してもいいもんだろうか?と悩んでいたら、HobgoblinのCHRIS君、なんとINTERETINGのMARTINさんの所で立話をしてるではないか。なあんだ仲よしなんじゃん。
Cambridgeホブゴブリンの出店。色白の眼鏡の青年がChris君。彼もメロディオン・プレイヤー。

Cambridgeサウンド・インタレスティングの出店。去年会ったメロディオン職人のMartin Banksさんは仕事中。

楽器屋ではみんな思い思いに楽器を試している。最初の晩に私は4ポンド(800円)程で韓国製のリコーダーを買った。値段の割りにいい音だ。エレクトリックフィドルを試し弾きしてる女の子はめっちゃ巧いし、小学生がバコバコ、バウロンを叩いていた。出店テントの一番おしまいはCD屋さん。こんなCD屋が近所にあったら ウチは破産だぞという品揃え。

ビールビールと言ったところで、トイレの問題。これが仮設トイレで2箇所しかないのが少しきつかった。でも日本と違って仮設でもちゃんと水洗で清潔、臭いもないし蚊もいない。

フェスの2日目は午前中に会場入りしたのでステージのあるテントは空いていた。昨日の酷い混雑はない。メインステージは1と2があって1が大きい。小さい方の2 に陣取って、12時から始るショーケースと3時45分から始るEDDIE LeJEUNEをしっかりみる事にした。

ショーケースでは以下のアーティストが登場し、40分位のステージをこなした。

DAVE KELLY
ブルースギター、スライドギターがめちゃ巧な人でなんとこのステージのホストでした。でも巧かったなぁ。

ERIC BIBB
ニューヨーク在住の黒人フォークシンガー。全然知らなかったんだけど、素晴らしいシンガー&ギタリストだった。好青年。音楽的にはピート・シーガー、レドベリー、ソニー・テリー&ブラウニー・マギー、タジ・マハルの後継者といった感じ。ネルソン・マンデラに捧げた歌には涙が出ました。3フィンガーピッキングがこんなにアフリカン・フィーリング溢れる奏法だとは知らな
かった。

LAURIE LEWIS,TOM ROZUM & TODD PHILLIPS
LAURIE LEWISはカントリー系の女性シンガー&フィドラーでどちらも凄く巧い才能豊かな人。TOM ROZUMのマンドリンも素晴らしかったが、TODD PHILLIPS のウッドベースも。ベース弾きの我が同行者は「ここでTODDの演奏が聞けるなんて」と大感激していた。この人、グラミーウィナーのプロデューサーでもある偉い人なのです。(日曜のステージではOPEN HOUSEのダンサーSANDY SILVAが飛入りでダンスを披露)

DERVESH
若さピチピチの勢いのあるバンド。日本に是非来てほしいもんです。シンガーのCATHY JORDANの声も雰囲気抜群。彼女のバウロンの力の入った叩きかたがグー。 アコーディオンはAltanのダーモット・バーンと同じダグ・ブリッグズというメーカー

ショーケースはこんなもんだったか。
さて、まちにまった最初のヤマ、Eddie LeJeuneの登場。実はこのおじさん、会場内ですれちがったし、(タイミング悪くサインを求めそこなった)DERVESHのCATHYにバウロンをとってあげたりとステージ脇でもちらちら見かけた。彼はDERVESHのステージも熱心に見ていた。

私はケイジャンミュージック好きだが何せルイジアナには行った事がないので、あまり生を見ていない。だからイギリスでこんな人が見られるのは本当に嬉しい。ステージに現れたエディのバンド3人はまるで老人会のよう。エディは頭テカテカの橋本さん系ヘアだし、他のフィドル、ギターのおじさんもキャップを被ってファーマー系。フィドルのおじさんはLeo Abshireって名前なのであのNathan Abshireの親戚かな?等と思ってるうちに演奏が始った。前に空いたちょっとしたスペースにどこから現れたのかダンス好きなどっかのおねえさんが乱入、「おどれおどれ」とけしかけてくる。あたしゃエディのアコーディオンがみたいのよ、と邪魔に思いつつも、みんなが踊るのを見るのはやっぱり楽しい。演奏はポピュラーなケイジャンナンバーが多かったが、有名中の有名曲J'ai ete au Bal という曲では2ステップのすざまじいノリがビンビン来た。見た目ただの3人の田舎のおじいさんの演奏は、下手なロックバンドなんて”ヘ”でもないすざまじいグルーヴをつむぎ出しているではないか。ケイジャンってこの骨太なノリが最高なのですよ。

やはり凄かった、重鎮Eddie LeJeune。

次には一転してアイリッシュ・トラッドのMARTIN HAYS &DENNIS CAHILLのコンビ登場。6度もアイルランドチャンピオンを獲得したという実力派ですが、演奏は伝統的なアイルランド風というよりもモダンというかジャズ風味。クラシックギターを修得したCAHILLとの相性もピッタリで実に気持のよい演奏でした。

JEZ LOW & BAD PENNIESというフォークグループ。我々には言葉の意味とかよくわからないのもあっていまいちピンとこなかったのだけど、JEZは歌に力のある人で、なんか日本人のフォークシンガーを思わせる所もあった。この人熱狂的なファンがいるらしくて私等の横にいた女性のファンがしきりに演目をメモしていた。この女性すごくいい人で場所キープしててねと私たちに頼んだおかえしに何か飲み物を買ってきてあげるとか、ホット・サイダーを味見してみろ、とかいろいろ気をつかってくれたのだった。”彼の歌よりもファンを見て音楽を知った”というべきか。

BAD PENNIESが終わるとなにやら無軌道な若者たちがテント内に溢れてきた。タバコはスパスパ吸うわ、人んちのシートは踏みまくるわ、もう会場は始る前から総立ち。疲れるから座れよ、と思ってももうそんな雰囲気ではない。しかたなしに、一緒に立って見始めたのはGREAT BIG SEAというバンド。デュランデュランというかアイドル系容姿にポーグスとオイスターバンドを足して2で割ったようなサウンド。ティーンズのアイドルだ。編成は4人。一人容姿は地味だが器用なやつがいてメロデ ィオンとフィドルとマンドリンを一人でこなす。(一人まるで小泉バンドじゃん)あとの連中はギターとかバウロン。曲はRUN RUNAWAYとかいうあのスレイドとか言った昔のポップヒットではないか、懐かしいなぁ。他にもアイルランド風の曲が多かったが特にバウロンの使い方が効果的で、ドラムレスのバンドにこれだけロックっぽいビートを盛り込めるものかと関心した。また歌にしろ、サウンドにしろ非常に纏まったバンド。これはウケるよなーと思う。絶対に日本でもウケると思う。 物凄い人気で、楽しいステージだったが、回りの若者のパワーについていけず、正直「楽しいけど早く終わってほしい」と思った。それにあとDERVESH とBOYS OF THE LOUGHのステージがあるのだ。もうクタクタ。

どんなに美味しい御馳走でも5人前出されたら誰でもうんざりするだろう。1年分、いや2年分位のライブをいっぺんに見てしまったようなものなのだから我々の感受性も限界状態。そこにDerveshが出てきたのだから、いやぁ参った。でも、幸いアイリッシュトラッドというのはお口直しのシャーベットのようなもので、気楽に聞いてもよし、熱狂してもよし、で気持よく聞く事ができた。

その日のトリはBOYS OF THE LOUGHだったのだが、これはもう疲れ切ってしまって次の日のステージにチャンスをゆずる事にした。

徒歩で駐車場に戻る。そうだった、メインステージ1の方ではこの日のトリがジャクソン・ブラウンのソロだったのだ!それに、リチャード・トンプソン、アフロ・ケルト・サウンド・システム、シャロン・シャノンも見逃さざるを得なかった。もったいないとはまさにこの事、しかし体が2つないとどうしても無理だったんだからしょうがない。よく5月の連休にニューオーリンズヘリテイジに出かける人たちがこぼしてたっけ。会場は広くてプログラムは密度が凄くてとても全部見たいものが見られる訳ではないと。それを「もったいない」と責める事はもうできない。

しかし、ジャクソン・ブラウンとはねぇ。近所の住宅街にこだまする 懐かしくてあったかい彼の歌声をききながら、宿へ戻った。


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